お知らせ
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2026.01.06
皆さま、新年明けましておめでとうございます。今年も「経済の好循環なくして、持続可能な社会なし」という理念のもと、地域経済の力強い循環を実現していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。
そもそも商工会議所は、他の任意団体と異なり、商工会議所法によって法的に位置付けられ、地域の商工業者の意見を集約し、その持続的な発展を担う経済団体です。 その責務から、今、商工会議所が第一に取り組むべきは、物価上昇を上回る賃上げの実現だと考えています。
ところで、賃上げというと「日本は労働生産性、すなわち付加価値が低いから賃金が上がらない」とよく言われます。しかし本当にそうでしょうか。例えば、マクドナルドの店舗従業員が提供する価値は世界共通であると考えられます。にもかかわらず時給を比べると、日本が1,226円であるのに対し、スイスではCHF24(約4,700 円)、アメリカのカリフォルニアでは$20(約3,100円)、そしてドイツでも今年から€13.96(約2,500円)となり、大きな差があります。つまり価値が低いのではなく、その価値に見合う対価が支払われていないため、統計上の「付加価値」が低く見えてしまっているのです。
その最大の要因は、バブルの反動によって「安さが正義」という意識が長く根付いてきたことが挙げられるでしょう。更にそれに加え、外国からの直接投資残高がGDP比で5%台と世界最低水準であることや島国ゆえの労働流動性の乏しさなど、日本が世界から切り離されてきた構造があります。このため物価も賃金も世界水準とかけ離れたままです。
とするなら、まずは物価を「適正な対価」へと近づけていくことが重要です。
その起点となるのは、世界の物価水準で価値を評価できる訪日外国人や外資系企業による消費です。昨年のインバウンド消費は10兆円に迫るといいます。さらに、賃上げが進んだ企業の従業員や、生活に余裕のあるシニア層など、適正対価を受け入れる余力のある方々がこれに続いていけば、社会全体に好循環が生まれます。こうした流れが広がれば、私たちにも手の届く範囲の努力で賃上げ原資を確保できるようになります。
物価を「適正な対価」へと近づけ、賃上げ原資を確保するのに欠かせないのが「価格転嫁」です。これは、全ての循環の第一歩であり、勇気を持って行なっていく必要があります。もちろん、「値上げすれば顧客が離れるのでは」という不安は常につきまといます。しかし、賃上げをするのに必要なのは、わずかに人件費の5%分の利益です。これは、手の届く範囲の目標です。しかも、賃上げ促進税制により、給与支給額が前年度比で+2.5%を超えれば、賃上げ額の30%が税額控除になります。
これらを続けることで、必ずや海外で実現されているような持続的な賃上げが日本でもできるはずです。
皆さん、どうか希望をもって取り組んで参りましょう。
本年もよろしくお願いします。
2026年1月6日 会頭 中村 洋介